第1章 なぜ今、大学にTikTok運用が必要なのか
1-1. 高校生の情報収集行動は大きく変化している
大学選びにおける情報収集の方法は、この数年で大きく変化しました。以前は大学の公式サイトやパンフレット、進学情報サイトが主な情報源でした。しかし現在の高校生は、SNSを活用しながら大学生活のリアルな情報を集めています。
特にTikTokは、高校生世代にとって日常的に利用するプラットフォームとなっています。検索エンジンで調べる前にTikTokで情報を探すという行動も珍しくありません。
例えば高校生は次のような検索を行っています。
【高校生がTikTokで検索する内容】
| 検索テーマ | 知りたい内容 |
| ○○大学 | 大学の雰囲気 |
| 大学生の1日 | キャンパスライフ |
| 大学ランチ | 学食や周辺環境 |
| 大学生コーデ | 学生の雰囲気 |
| オープンキャンパス | 参加前の情報 |
| 大学紹介 | 校舎や設備 |
高校生が知りたいのは、偏差値や学部情報だけではありません。
実際に通っている学生がどんな生活を送っているのか。
キャンパスはどんな雰囲気なのか。
友達はできるのか。
授業は楽しいのか。
こうした「リアルな大学生活」を知りたいというニーズが強くなっています。
そのため大学広報も、単なる情報発信から共感型の情報発信へと変化する必要があります。
1-2. 大学選びにおけるTikTokの影響力
高校生は大学選びの際、複数のSNSを使い分けています。
それぞれの役割を整理すると次のようになります。
【高校生のSNS利用目的】
| SNS | 主な利用目的 |
| TikTok | 雰囲気を知る |
| 写真で確認する | |
| YouTube | 詳細情報を得る |
| X | 最新情報を確認する |
| 公式サイト | 出願情報を調べる |
この中でもTikTokは「第一印象」を形成する媒体として機能しています。
例えば、
「なんか楽しそう」
「学生が明るそう」
「この大学気になる」
といった感情は、短時間の動画視聴によって形成されることが少なくありません。
大学の公式サイトを閲覧する前にTikTok動画を見るケースも増えています。
つまりTikTokは認知獲得の入り口になっているのです。
大学広報担当者が理解しておきたいのは、TikTokの役割が資料請求や出願を直接獲得することではないという点です。
TikTokの役割は以下の流れを作ることです。
【TikTokが果たす役割】
TikTok視聴
↓
大学への興味喚起
↓
Instagram閲覧
↓
公式サイト訪問
↓
オープンキャンパス参加
↓
出願検討
この導線を作れる大学は、受験生との接触機会を大きく増やすことができます。
1-3. InstagramやXとの違いとTikTokの強み
大学SNS運用ではInstagramやXを運用しているケースが多く見られます。
しかしTikTokには他SNSにはない強みがあります。
まず最大の特徴はフォロワー数に依存しにくいことです。
Instagramではフォロワーが少ないとリーチも限定的になります。
一方TikTokはアルゴリズムによっておすすめ表示されるため、フォロワー数が少なくても大きな再生数を獲得できます。
【TikTokと他SNSの比較】
| 項目 | TikTok | X | |
| 拡散力 | 非常に高い | 中程度 | 高い |
| 新規発見 | 強い | 普通 | 普通 |
| 動画向き | ◎ | ○ | △ |
| 高校生利用率 | 高い | 高い | 中程度 |
| バズの可能性 | 非常に高い | 中程度 | 高い |
またTikTokはエンタメ性との相性が良い特徴があります。
大学広報では堅い情報発信になりがちです。
しかし高校生が求めているのは説明会資料の内容ではありません。
求めているのは、
・大学生活の楽しさ
・学生のリアルな姿
・キャンパスの空気感
・友人関係
・授業の雰囲気
といった感覚的な情報です。
TikTokはこれらを短時間で伝えることができます。
1-4. 大学広報でTikTokを活用するメリット
大学がTikTok運用を行うメリットは数多くあります。
主なメリットは次の通りです。
【大学TikTok運用のメリット】
・高校生との接点を増やせる
・大学の雰囲気を伝えやすい
・認知度向上につながる
・地方大学でも全国に発信できる
・オープンキャンパス集客に活用できる
・学生募集の競争力向上につながる
特に地方大学にとっては大きな武器になります。
従来の広報活動では地理的制約がありました。
しかしTikTokなら地域を超えて情報発信できます。
例えば北海道の大学の動画が九州の高校生に届くこともあります。
これは紙媒体や説明会だけでは実現できなかったことです。
さらにTikTokは大学ブランド形成にも貢献します。
高校生が大学を選ぶ際、最終的な判断材料になるのは「ここに通いたい」という感情です。
偏差値や学費だけで決まるわけではありません。
動画を通じて大学生活への期待感を高めることで、志望度向上につなげることができます。
大学間競争が激化する中、TikTokは重要な広報チャネルの一つになりつつあります。
これからの大学広報では、TikTokを単なるSNSではなく、受験生との接点を作るメディアとして活用する視点が求められています。
第2章 大学TikTok運用で成果を出すための戦略設計
2-1. 大学TikTok運用の目的を明確にする
TikTok運用で失敗する大学に共通する特徴があります。
それは「とりあえず始める」ことです。
アカウントを開設したものの、
・何を発信するのか
・誰に届けるのか
・何を目指すのか
が曖昧なまま運用してしまいます。
まずは目的を明確にしましょう。
大学TikTok運用の目的は主に次の4つに分類できます。
【大学TikTok運用の目的】
| 目的 | 内容 |
| 認知拡大 | 大学名を知ってもらう |
| ブランド形成 | 良いイメージを持ってもらう |
| 集客促進 | オープンキャンパス誘導 |
| 学生募集 | 出願候補に入れてもらう |
大学によって優先順位は異なります。
知名度の高い大学ならブランド形成が重要です。
地方大学や新設学部なら認知拡大が重要になります。
まずは運用目的を整理することが成功への第一歩です。
2-2. ターゲットとなる高校生像を具体化する
成果を出している大学はターゲット設定が非常に明確です。
逆に失敗する大学は「高校生全員」をターゲットにしています。
しかし高校生と一言で言っても多様です。
例えば次のような違いがあります。
【高校生ターゲットの例】
・高校1年生
・高校2年生
・高校3年生
・文系志望
・理系志望
・スポーツ系
・芸術系
・地方在住
・首都圏在住
ターゲットによって刺さるコンテンツは変わります。
例えば高校1年生なら大学生活への憧れを訴求します。
高校3年生なら受験直前の不安解消コンテンツが有効です。
理系志望なら研究室紹介が効果的です。
文系志望なら学生生活紹介が効果的です。
誰に届けたいのかを具体化することで企画の方向性も明確になります。
2-3. 認知・興味・来校意欲を高める導線設計
TikTok運用は動画投稿だけでは成果につながりません。
重要なのは導線設計です。
高校生の行動を段階的に考える必要があります。
【理想的な導線】
①TikTok動画を見る
②大学に興味を持つ
③プロフィールを見る
④Instagramを見る
⑤公式サイトを見る
⑥オープンキャンパスに申し込む
⑦出願を検討する
この流れを意識して設計します。
TikTokだけで全てを説明しようとする必要はありません。
TikTokは興味を持ってもらう場所です。
詳しい説明は公式サイトやオープンキャンパスで行います。
そのためTikTokでは「もっと知りたい」と思わせることが重要です。
2-4. 失敗しやすい大学TikTok運用の共通点
最後に、大学TikTok運用でよくある失敗例を紹介します。
【よくある失敗例】
・大学紹介動画ばかり投稿する
・広報担当者だけで企画する
・学生目線が不足している
・トレンドを無視する
・投稿頻度が少ない
・再生数だけを追う
・オープンキャンパス告知だけになる
特に多いのが「大学案内動画」の連続投稿です。
大学側は伝えたいことが多くあります。
しかし高校生は大学紹介動画を見たいわけではありません。
見たいのは大学生活です。
例えば、
「大学生の朝ルーティン」
「学食ランキング」
「空きコマの過ごし方」
「キャンパスの人気スポット」
などの方が高い関心を集めます。
大学目線ではなく高校生目線で企画を考えることが重要です。
また、成功している大学は学生を積極的に出演させています。
高校生は職員よりも学生に共感します。
リアルな学生の声や表情こそがTikTok最大の魅力です。
戦略設計の段階から学生参加型の運用体制を構築することで、継続的に成果を生み出しやすくなります。
第3章 バズる大学TikTok企画20選
3-1. 学生の日常が伝わる人気企画
大学TikTok運用で最も再生されやすいのは、実は特別な企画ではありません。
高校生が本当に知りたいのは、大学生の日常です。
大学案内パンフレットには載っていないリアルな情報に価値があります。
そのため、まずは学生生活を切り取る企画から始めることをおすすめします。
【再生されやすい日常系コンテンツ】
| 企画 | 内容 |
| 大学生の1日 | 朝から帰宅まで密着 |
| 通学ルーティン | 最寄駅から教室まで |
| 空きコマの過ごし方 | 学生のリアルな時間 |
| 学食紹介 | 人気メニューを紹介 |
| バッグの中身 | 持ち物紹介 |
| 授業密着 | 実際の講義風景 |
| 放課後Vlog | サークルや友人との時間 |
高校生は「大学生活が想像できる動画」に強く反応します。
特に人気なのは「大学生の1日」です。
授業だけでなく、
・朝の準備
・通学風景
・昼食
・サークル活動
・アルバイト
まで含めることで視聴維持率が高くなります。
また、派手な演出は不要です。
むしろ自然な雰囲気の方が親近感を持たれます。
TikTokでは完成度よりもリアルさが重要です。
3-2. キャンパスライフを疑似体験できる企画
高校生は実際に通学しているイメージを持てると、その大学への興味が高まります。
そのためキャンパス体験型のコンテンツは非常に効果的です。
【キャンパス体験企画】
・大学構内ツアー
・人気スポット紹介
・図書館紹介
・学生ラウンジ紹介
・学食ランキング
・学内コンビニ紹介
・サークル活動密着
・学園祭の裏側
特に効果的なのは「〇〇大学を30秒で案内します」という企画です。
高校生は長い説明を求めていません。
短時間で大学の魅力を感じたいのです。
例えば、
「ここが人気の学食」
↓
「ここが図書館」
↓
「ここが学生ラウンジ」
↓
「ここが中庭」
という流れでテンポ良く見せるだけでも十分に魅力は伝わります。
また季節感を活かすことも重要です。
春は新歓シーズン。
夏はオープンキャンパス。
秋は学園祭。
冬はイルミネーションや受験応援企画。
季節イベントは自然と再生数が伸びやすくなります。
3-3. 学部・学科の魅力を伝える企画
大学選びでは学部選びも重要です。
しかし学部紹介動画は難しいテーマでもあります。
説明中心になると視聴離脱が増えるためです。
そこで重要になるのが体験型コンテンツです。
【学部紹介でおすすめの企画】
| 学部 | 人気企画例 |
| 経済学部 | 学生のプレゼン発表 |
| 法学部 | 模擬裁判 |
| 教育学部 | 教育実習の様子 |
| 看護学部 | 実習風景 |
| 工学部 | 研究室紹介 |
| 情報学部 | プログラミング体験 |
| 国際系学部 | 留学体験談 |
例えば、
「看護学部の実習室を紹介します」
よりも、
「看護学生の1日に密着」
の方が興味を引きやすくなります。
学部紹介は設備紹介ではなく、学生紹介として見せることがポイントです。
3-4. オープンキャンパス集客につながる企画
TikTokはオープンキャンパス集客にも活用できます。
ただし告知動画ばかりでは効果は期待できません。
まず大学に興味を持ってもらう必要があります。
【効果的な集客企画】
・オープンキャンパス当日の様子
・参加者インタビュー
・人気プログラム紹介
・在学生との交流風景
・学食体験紹介
・キャンパスツアー紹介
おすすめなのは、
「オープンキャンパス参加者の1日」
という企画です。
高校生目線で体験を紹介することで、参加イメージを持ちやすくなります。
また参加後アンケートを活用し、
「実際に参加して良かったこと」
を紹介する動画も有効です。
第三者の声は大学からの説明よりも信頼されやすい特徴があります。
3-5. 高校生の共感を生むトレンド活用企画
TikTokではトレンド活用も欠かせません。
ただし無理に流行へ乗る必要はありません。
大学らしさを活かしながら取り入れることが大切です。
【トレンド活用のポイント】
・流行音源を使う
・流行フォーマットを応用する
・学生に企画を考えてもらう
・高校生視点を忘れない
・無理な若者言葉を使わない
成功している大学の多くは学生主体で企画を作っています。
なぜなら学生自身がトレンドを理解しているからです。
広報担当者だけで企画を考えるよりも、学生の感覚を取り入れることで自然な動画になります。
大学TikTok運用では「大学が作った動画」ではなく、「学生が発信している動画」に見えることが重要です。
第4章 成功している大学TikTokアカウントの共通点
4-1. フォロワーが増える大学の運用事例
大学TikTok運用で成果を出しているアカウントには共通点があります。
それは大学を主役にしていないことです。
主役は学生です。
高校生は大学という組織ではなく、その大学に通う学生を見ています。
【成功アカウントの特徴】
・学生出演率が高い
・投稿頻度が安定している
・コメント返信が多い
・日常系動画が中心
・トレンド活用が上手い
一方で成果が出にくいアカウントは次のような傾向があります。
【伸びにくいアカウントの特徴】
・大学紹介ばかり
・告知ばかり
・職員目線
・更新頻度が低い
・動画の長さが一定でない
大学広報では情報を伝えたくなります。
しかしTikTokではまず見てもらうことが重要です。
興味を持ってもらった後で詳しい情報へ誘導する方が成果につながります。
4-2. バズ動画に共通する構成と演出
TikTokで再生される動画には一定のパターンがあります。
特に重要なのは冒頭3秒です。
最初の数秒で興味を持たれなければ離脱されます。
【バズ動画の基本構成】
①興味を引く導入
②本編
③オチや結論
例えば、
「大学生のリアルな昼ご飯を見せます」
という一言から始めるだけでも視聴維持率は向上します。
またテロップも重要です。
音声を出さずに視聴するユーザーも多いためです。
【動画制作で意識したいポイント】
・テンポを速くする
・テロップを大きくする
・結論を先に見せる
・不要な場面を削る
・15~45秒程度に収める
長い動画が必ずしも悪いわけではありません。
ただし大学アカウントの場合、短い動画の方が最後まで見られる傾向があります。
4-3. 学生出演コンテンツが強い理由
大学TikTok運用において学生出演は欠かせません。
理由はシンプルです。
高校生が未来の自分を重ねられるからです。
【学生出演が重要な理由】
・親近感がある
・リアルな声が聞ける
・大学生活を想像できる
・信頼感が高い
・共感されやすい
特に人気なのはインタビュー企画です。
例えば、
「この大学を選んだ理由は?」
「入学前と後で印象は変わった?」
「おすすめの授業は?」
などの質問形式は高い再生数を獲得しやすい傾向があります。
また学生一人だけでなく複数人を登場させると、多様な価値観を見せることができます。
4-4. 保存・シェアされる動画の特徴
TikTok運用では再生数だけを見てはいけません。
保存数やシェア数も重要です。
これらが多い動画はアルゴリズム上でも評価されやすくなります。
【保存されやすい動画】
・受験生向け情報
・キャンパス紹介
・学部紹介
・勉強法紹介
・大学生活のコツ
【シェアされやすい動画】
・面白い企画
・共感できる内容
・友達に見せたくなる内容
・驚きがある内容
例えば、
「大学生あるある」
はシェアされやすい代表例です。
視聴者が友達に送りやすいからです。
再生数だけでなく保存やシェアも意識した企画作りが重要になります。
第5章 大学TikTok運用を成功させる実践ノウハウ
5-1. 投稿頻度と運用体制の作り方
大学TikTok運用で最も重要なのは継続です。
しかし多くの大学が途中で更新を止めてしまいます。
その原因は運用体制にあります。
【理想的な運用体制】
| 役割 | 担当 |
| 企画 | 広報+学生 |
| 撮影 | 学生中心 |
| 編集 | 学生または外部 |
| 投稿 | 広報担当 |
| 分析 | 広報担当 |
おすすめは学生広報チームの活用です。
学生が企画から参加することで自然なコンテンツが作れます。
また継続もしやすくなります。
投稿頻度の目安は週3〜5本です。
まずは無理なく継続できるペースを設定しましょう。
5-2. 撮影・編集で意識すべきポイント
TikTokは高価な機材がなくても運用できます。
スマートフォンだけでも十分です。
重要なのは撮影技術よりも企画力です。
【撮影時のポイント】
・縦動画で撮影する
・明るい場所で撮影する
・人物を大きく映す
・手ブレを抑える
・テンポ良く場面転換する
【編集時のポイント】
・冒頭3秒を強化する
・不要部分を削除する
・字幕を入れる
・流行音源を活用する
・テンポを重視する
大学紹介動画よりも学生の日常動画の方が伸びるケースは珍しくありません。
撮影技術よりも高校生の興味を理解することが大切です。
5-3. 効果測定で見るべき重要指標
TikTok運用では数字の分析も重要です。
ただしフォロワー数だけを追う必要はありません。
【確認したい指標】
・再生数
・視聴維持率
・いいね数
・コメント数
・保存数
・シェア数
・プロフィール閲覧数
特に注目したいのは視聴維持率です。
最後まで見られている動画はおすすめ表示されやすくなります。
再生数だけで判断しないようにしましょう。
5-4. 炎上対策とリスク管理
大学公式アカウントである以上、炎上対策も必要です。
【事前に決めておくこと】
・出演許可の取得
・撮影ルールの整備
・コメント対応方針
・個人情報管理
・危機管理フロー
特に学生出演コンテンツでは注意が必要です。
公開前チェック体制を整備し、安全な運用を行いましょう。
5-5. 大学TikTok運用を継続的に成長させる方法
TikTok運用は短期施策ではありません。
継続することで大学ブランドが形成されます。
成功する大学は常に改善を続けています。
【継続成長のポイント】
・毎月分析する
・人気企画をシリーズ化する
・学生の意見を取り入れる
・トレンドを研究する
・他大学の事例を研究する
高校生が求めているのはリアルな大学生活です。
その視点を忘れずに運用することで、大学TikTokは学生募集や認知拡大に大きく貢献する強力な広報メディアになります。

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