1-1. 大学LINE運用の基本的な仕組み
大学の広報活動において、LINEの活用は急速に広がっています。
これまでの大学広報は、パンフレットやホームページ、進学情報サイト、メールマガジンが中心でした。しかし現在は、高校生とのコミュニケーション手段そのものが変化しています。
高校生の多くは日常的にLINEを利用しています。
家族との連絡、友人との会話、学校の連絡など、スマートフォン利用時間の多くをLINEが占めています。
そのため大学も、高校生が普段利用しているツール上で情報を届けることが重要になっています。
大学LINE運用とは、LINE公式アカウントを活用し、高校生や保護者へ情報を配信しながら、オープンキャンパス予約や出願促進につなげる施策です。
単なる情報配信ツールではなく、大学と受験生をつなぐコミュニケーション基盤として活用されています。
大学LINE運用でできること
| 機能 | 活用内容 |
|---|---|
| メッセージ配信 | オープンキャンパス告知 |
| セグメント配信 | 学部別情報配信 |
| ステップ配信 | 予約促進 |
| リッチメニュー | 各ページへの導線設計 |
| 個別相談 | 入試相談対応 |
| アンケート | 興味関心把握 |
| リマインド配信 | 当日参加促進 |
従来のメールでは開封されなかった情報も、LINEであれば見てもらえる可能性が高まります。
また、大学ホームページは「自ら見に行く媒体」です。
一方でLINEは「大学側から届けられる媒体」です。
この違いが非常に大きなポイントになります。
大学広報の変化
| 従来 | 現在 |
|---|---|
| パンフレット中心 | LINE・SNS活用 |
| メール配信 | LINE配信 |
| 一斉案内 | 個別最適化 |
| 学校説明会中心 | 継続接点型 |
| 単発広報 | ナーチャリング型広報 |
現在の受験生は、大学を比較検討する期間が長くなっています。
高校1年生から情報収集を始めるケースも増えています。
そのため、一度接点を持った高校生と継続的にコミュニケーションを取れるLINEは、大学広報において重要な存在になっているのです。
1-2. 大学広報におけるLINEの役割
LINEは単なる連絡ツールではありません。
大学広報においては、受験生との関係を構築するための重要なマーケティングツールとして機能しています。
受験生が大学を選ぶまでには複数のステップがあります。
大学選びの一般的な流れ
- 大学を知る
- 興味を持つ
- 情報収集する
- オープンキャンパスに参加する
- 出願する
- 入学を決定する
多くの大学では、オープンキャンパス予約までは獲得できても、その後の出願につながらないという課題を抱えています。
その理由の一つが、接点不足です。
オープンキャンパス後に受験生とのコミュニケーションが途切れてしまうケースが少なくありません。
そこで活躍するのがLINEです。
LINEが担う役割
| フェーズ | LINEの役割 |
|---|---|
| 認知 | 登録促進 |
| 興味関心 | 学校情報配信 |
| 比較検討 | 学部情報提供 |
| 予約 | オープンキャンパス誘導 |
| 参加後 | フォロー配信 |
| 出願前 | 出願情報案内 |
例えばオープンキャンパス予約後に、
- 学部紹介
- 在学生インタビュー
- 就職実績
- 入試対策情報
などを定期的に届けることで、受験生の志望度を高めることができます。
大学選びは長期戦です。
だからこそ継続的に接点を持てるLINEが重要なのです。
1-3. なぜメールよりLINEが活用されるのか
大学広報では長年メール配信が活用されてきました。
しかし近年はLINEへの移行が進んでいます。
その理由は受験生の行動変化にあります。
現在の高校生はメールを日常的に確認する機会が多くありません。
一方でLINEは毎日利用しています。
高校生の利用頻度比較
| ツール | 利用頻度 |
|---|---|
| LINE | 非常に高い |
| 非常に高い | |
| TikTok | 非常に高い |
| YouTube | 非常に高い |
| メール | 低い |
メールの場合、
- 開封されない
- 埋もれる
- 削除される
という課題があります。
一方LINEは通知が表示されるため、情報が届きやすい特徴があります。
またスマートフォンとの相性も非常に良好です。
高校生は情報収集のほとんどをスマートフォンで行います。
そのためスマートフォン上で完結できるLINEは、大学広報との相性が良いのです。
LINEとメールの比較
| 項目 | LINE | メール |
|---|---|---|
| 開封率 | 高い | 低い |
| 到達率 | 高い | 普通 |
| 利用頻度 | 高い | 低い |
| 操作性 | 簡単 | 普通 |
| 反応速度 | 速い | 遅い |
大学が情報を届けたいタイミングで確実に届けられる点が、LINEの大きな強みです。
1-4. オープンキャンパス予約率との関係
大学LINE運用が注目されている最大の理由は、オープンキャンパス予約率の改善につながるためです。
多くの大学では、
「ホームページには来ている」
「資料請求もある」
「SNSも見られている」
にもかかわらず、予約につながらないケースがあります。
これは予約直前で離脱している可能性が高い状態です。
LINEはこの離脱を防ぐ役割を果たします。
予約までの流れ
| ステップ | 行動 |
|---|---|
| 認知 | SNS閲覧 |
| 興味 | ホームページ訪問 |
| 情報収集 | 学部比較 |
| LINE登録 | 接点確保 |
| 予約案内 | LINE配信 |
| 予約完了 | オープンキャンパス参加 |
特に高校生は忙しいため、
「あとで予約しよう」
と思って忘れてしまうことがあります。
そこでLINEによるリマインド配信が有効になります。
例えば、
- 開催1か月前
- 開催2週間前
- 開催1週間前
- 開催前日
など複数回案内することで予約率向上が期待できます。
大学LINE運用は単なる情報発信ではなく、予約率改善のための重要な導線設計なのです。
2. 大学がLINE運用に取り組むべき理由
2-1. 高校生のコミュニケーション手段が変化している
大学広報においてLINE活用が重要視される背景には、高校生のコミュニケーション環境の変化があります。
現在の高校生はデジタルネイティブ世代です。
スマートフォンを中心に生活しており、情報収集もコミュニケーションもモバイル中心で行っています。
高校生の主な情報収集手段
| 手段 | 利用度 |
|---|---|
| LINE | ◎ |
| ◎ | |
| TikTok | ◎ |
| YouTube | ◎ |
| Google検索 | ○ |
| メール | △ |
大学側が伝えたい方法ではなく、高校生が受け取りやすい方法で情報を届けることが重要です。
LINEはその中心的な存在になっています。
2-2. 開封率・到達率が高い
LINE最大のメリットは到達率の高さです。
どれだけ良い情報を作っても見てもらえなければ意味がありません。
その点でLINEは優れています。
例えば、
- オープンキャンパス開催
- 入試情報公開
- 出願開始
- 学部イベント
などの重要な情報をタイムリーに届けられます。
LINEで配信すべき情報
- オープンキャンパス開催案内
- 予約開始通知
- 学部紹介イベント
- 入試日程
- 出願受付開始
- 学費情報
- 奨学金情報
こうした情報を適切なタイミングで届けることで、受験生の行動を促進できます。
2-3. オープンキャンパス参加率向上につながる
予約率だけでなく参加率向上にもLINEは有効です。
大学側が抱える課題の一つに「予約したが来場しない」という問題があります。
いわゆる無断キャンセルです。
LINEによるリマインド配信を活用することで、この課題を改善できます。
効果的な配信例
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 1週間前 | 開催案内 |
| 3日前 | 持ち物案内 |
| 前日 | 最終確認 |
| 当日朝 | 来場案内 |
参加率が高まれば、その後の出願率向上も期待できます。
2-4. 出願検討者との継続的な接点を作れる
大学選びは短期間で完結するものではありません。
高校1年生から検討を始めるケースもあります。
そのため継続的な情報発信が重要です。
LINEが活躍する場面
- 資料請求後
- オープンキャンパス後
- 学部比較期間
- 入試直前
- 出願検討期間
継続的に情報提供することで、受験生の志望度を高められます。
2-5. 入学検討期間中の離脱防止に役立つ
大学広報の最終目的は予約獲得ではありません。
出願、そして入学です。
そのためには検討期間中の離脱を防ぐ必要があります。
LINEは受験生との接点を維持し続けられるため、他大学への流出防止にも役立ちます。
大学LINE運用は単なる連絡手段ではありません。
オープンキャンパス予約率の向上、参加率改善、出願促進までを支える重要なマーケティング施策として、今後ますます重要性を高めていくでしょう。
3. オープンキャンパス予約率を高める大学LINE運用の実践方法
3-1. LINE登録導線を最適化する
大学LINE運用で最初に取り組むべきことは、登録者数を増やすことです。
どれだけ優れた配信内容を作っても、登録者が少なければ成果は限定的になります。
そのため、まずは高校生が自然にLINE登録できる環境を整えることが重要です。
多くの大学ではLINEを開設しているものの、登録導線が十分に設計されていません。
ホームページの目立たない場所に設置されていたり、オープンキャンパス申込ページから誘導できていなかったりするケースもあります。
LINE登録導線の設置場所
| 設置場所 | 重要度 |
|---|---|
| 大学公式サイトTOP | ◎ |
| オープンキャンパスページ | ◎ |
| 資料請求完了画面 | ◎ |
| SNSプロフィール | ◎ |
| 学校案内パンフレット | ○ |
| 説明会スライド | ○ |
特に重要なのは、資料請求後とオープンキャンパス申込後です。
このタイミングは受験生の関心が高まっているため、登録率も高くなります。
登録特典の例
- オープンキャンパス先行予約
- 入試情報の先行配信
- 学部紹介動画の限定公開
- 在学生インタビュー閲覧
- 入試対策資料の配布
単純に「LINE登録はこちら」と案内するだけでなく、登録するメリットを明確に伝えることが重要です。
3-2. セグメント配信で興味関心に合わせた情報を届ける
大学LINE運用で成果を出している大学は、一斉配信だけに頼っていません。
受験生ごとに興味を持っている内容は異なるためです。
例えば文系志望者に工学部の案内を送っても反応は期待できません。
そのため、興味関心ごとに配信内容を分けるセグメント配信が重要になります。
セグメント例
| 属性 | 配信内容 |
|---|---|
| 文系志望 | 文学部・経済学部情報 |
| 理系志望 | 理工学部情報 |
| 高校1年生 | 大学理解コンテンツ |
| 高校2年生 | 学部選びコンテンツ |
| 高校3年生 | 入試・出願情報 |
| 保護者 | 就職・学費情報 |
受験生が必要としている情報を届けることで、配信への興味が高まります。
結果として、
- ブロック率低下
- 開封率向上
- クリック率向上
- 予約率向上
につながります。
セグメント配信のメリット
- 関係のない情報が減る
- 満足度が高まる
- 配信効果が向上する
- 志望度向上につながる
大学側が伝えたいことではなく、受験生が知りたいことを届ける視点が重要です。
3-3. ステップ配信を活用して予約を促進する
LINE運用の大きな強みがステップ配信です。
ステップ配信とは、登録後に自動で複数のメッセージを配信する仕組みです。
受験生はLINE登録した直後が最も関心が高い状態です。
そのタイミングを逃さず情報提供することが重要になります。
ステップ配信例
| 配信日 | 内容 |
|---|---|
| 登録直後 | お礼メッセージ |
| 3日後 | 大学紹介 |
| 7日後 | 学部紹介 |
| 10日後 | 在学生インタビュー |
| 14日後 | オープンキャンパス案内 |
| 21日後 | 予約促進案内 |
このように段階的に情報を届けることで、自然な形でオープンキャンパス予約へ誘導できます。
ステップ配信で伝えるべき内容
- 大学の特徴
- 学部紹介
- 学生生活
- 就職実績
- オープンキャンパス情報
- 入試制度
一度に多くの情報を送るのではなく、少しずつ届けることがポイントです。
3-4. リッチメニューを活用して導線を整備する
LINE公式アカウントの中でも特に活用したい機能がリッチメニューです。
リッチメニューとは、トーク画面下部に常時表示されるナビゲーション機能です。
大学ホームページのような役割をLINE内で果たせます。
おすすめのリッチメニュー構成
| ボタン | 内容 |
|---|---|
| オープンキャンパス | 予約ページ |
| 学部紹介 | 学部一覧 |
| 入試情報 | 入試案内 |
| 資料請求 | 資料請求フォーム |
| キャンパス紹介 | 動画・写真 |
| 個別相談 | 問い合わせ |
受験生が知りたい情報へすぐアクセスできる環境を作ることで、離脱を防げます。
特にオープンキャンパス予約ボタンは目立つ位置に設置することが重要です。
リッチメニュー活用のポイント
- ボタン数を増やしすぎない
- スマホで見やすくする
- 予約導線を目立たせる
- 定期的に更新する
高校生が迷わず行動できる設計を意識しましょう。
3-5. リマインド配信で参加率を向上させる
予約率だけでなく参加率向上も重要です。
大学によっては予約者のうち一定数が当日来場しないケースがあります。
そこで有効なのがリマインド配信です。
配信スケジュール例
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 1週間前 | 開催案内 |
| 3日前 | 当日の見どころ |
| 前日 | 最終案内 |
| 当日朝 | 会場アクセス案内 |
リマインド配信には次のような効果があります。
- 参加忘れ防止
- 不安解消
- 来場意欲向上
- キャンセル率低下
配信内容の例
- 当日のプログラム紹介
- キャンパスマップ
- アクセス案内
- 学生スタッフ紹介
- 持ち物案内
予約後のコミュニケーションまで設計することで、参加率改善につながります。
4. 大学LINE運用の成功事例と参考施策
4-1. オープンキャンパス集客に成功した大学の特徴
オープンキャンパス集客に成功している大学には共通点があります。
それはLINEを単なる告知ツールとして使っていないことです。
受験生との関係構築ツールとして活用しています。
成功大学の共通点
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 配信頻度 | 定期的 |
| セグメント配信 | 実施 |
| 動画活用 | 積極的 |
| 学生コンテンツ | 多い |
| 導線設計 | 明確 |
成功している大学は、予約ページへの誘導だけではなく、大学への理解促進にも力を入れています。
その結果、予約率だけでなく出願率向上にもつながっています。
4-2. LINE登録者数を増やした施策事例
LINE運用の成果は登録者数によって大きく左右されます。
登録者が増えれば増えるほど、オープンキャンパス集客の母数も増えるためです。
登録者増加施策
- 資料請求時に登録促進
- SNSから誘導
- オープンキャンパス会場で案内
- QRコード設置
- 登録特典提供
特にSNSとの連携は効果的です。
InstagramやTikTokで興味を持った高校生をLINEへ誘導する流れが定着しています。
4-3. 予約率改善につながった配信内容の事例
単純な告知だけでは予約率は伸びません。
予約率改善に成功している大学は、参加したくなる情報を発信しています。
効果が出やすいコンテンツ
| コンテンツ | 効果 |
|---|---|
| 学生インタビュー | ◎ |
| 学部紹介動画 | ◎ |
| キャンパスツアー | ◎ |
| 学食紹介 | ○ |
| サークル紹介 | ○ |
高校生は大学の雰囲気を重視しています。
そのためリアルな学校生活が見えるコンテンツが予約率向上につながります。
4-4. 出願率向上につながった活用事例
LINEの役割は予約獲得だけではありません。
出願促進にも大きく貢献します。
出願までの流れ
LINE登録
↓
情報配信
↓
オープンキャンパス参加
↓
志望度向上
↓
出願
オープンキャンパス後も継続的に情報を届けることで、志望度を維持できます。
出願前に配信したい内容
- 入試スケジュール
- 出願方法
- 過去問題情報
- 合格者インタビュー
- 奨学金制度
受験生が必要な情報を適切なタイミングで届けることが重要です。
4-5. 成功している大学に共通するポイント
成功大学には明確な共通点があります。
共通する運用方針
- 登録者数増加を重視
- セグメント配信を活用
- 動画コンテンツを活用
- 予約導線を明確化
- データ分析を継続
特に重要なのは継続的な改善です。
LINE運用は一度設定して終わりではありません。
定期的に効果検証を行いながら改善することで成果が大きく変わります。
5. 大学LINE運用を成功させるポイントと注意点
5-1. 配信頻度を最適化する
配信が少なすぎると忘れられてしまいます。
反対に多すぎるとブロックされる可能性があります。
配信頻度の目安
| 時期 | 頻度 |
|---|---|
| 通常期 | 月2〜4回 |
| 募集期 | 週1回 |
| OC直前 | 週2〜3回 |
受験生にとって有益な情報を適切な頻度で届けることが重要です。
5-2. 高校生目線のコンテンツを意識する
大学側が伝えたい内容と、高校生が知りたい内容は必ずしも一致しません。
高校生が知りたいこと
- 学校生活
- 学生の雰囲気
- 授業内容
- 就職先
- キャンパス環境
受験生目線を意識することで反応率が向上します。
5-3. SNSやWebサイトと連携する
LINE単体で成果を出すのではなく、他媒体との連携が重要です。
理想的な導線
Instagram
↓
LINE登録
↓
オープンキャンパス予約
↓
参加
↓
出願
各媒体を連携させることで集客効果を最大化できます。
5-4. 効果測定と改善を継続する
成果を高めるためには分析が欠かせません。
確認すべき指標
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 登録者数 | 友だち数 |
| 開封率 | メッセージ閲覧 |
| クリック率 | URLクリック |
| 予約率 | 申込数 |
| 参加率 | 来場率 |
数字を確認しながら改善を続けることが重要です。
5-5. オープンキャンパス予約から出願までを一貫設計する
大学LINE運用の最終目的は予約獲得ではありません。
出願、そして入学につなげることです。
そのためには、
- LINE登録
- 情報配信
- オープンキャンパス予約
- オープンキャンパス参加
- 出願
- 入学
までを一つの流れとして設計する必要があります。
高校生との継続的なコミュニケーションを実現できるLINEは、今後の大学広報において欠かせない存在です。
オープンキャンパス予約率を改善したい大学にとって、LINE運用は単なる情報配信ではなく、受験生との関係を深めながら出願率向上を実現する重要なマーケティング施策といえるでしょう。

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