第1章 なぜ今、大学広報にInstagram運用が欠かせないのか
高校生の情報収集行動が大きく変化している
大学選びにおける情報収集の方法は、この数年で大きく変化しました。
以前であれば、
- 大学パンフレット
- 進学情報サイト
- 高校の先生からの紹介
- オープンキャンパス
が主な情報源でした。
しかし現在の高校生は、スマートフォンを中心に情報収集を行っています。
特に日常的に利用しているSNSの影響力は非常に大きくなっています。
大学を探そうと思った時だけでなく、普段の生活の中で大学情報に触れる機会が増えているのです。
例えば高校生は、
- 通学中
- 昼休み
- 放課後
- 部活終わり
- 受験勉強の休憩時間
などの隙間時間にInstagramを閲覧しています。
その際、大学の情報だけを見ているわけではありません。
友人の投稿や芸能人の投稿、趣味の動画などと同じタイムラインの中で大学の投稿が表示されます。
つまり大学は、他のエンタメコンテンツと競争している状態です。
この前提を理解することが非常に重要です。
大学ホームページだけでは届かない時代
もちろん大学ホームページは今でも重要です。
しかし、高校生の情報接触の入口はホームページではなくなりつつあります。
実際の行動を見てみましょう。
従来の進学検討フロー
進学情報サイト
↓
大学ホームページ
↓
資料請求
↓
オープンキャンパス
↓
出願
現在の進学検討フロー
↓
TikTok
↓
Google検索
↓
大学ホームページ
↓
オープンキャンパス
↓
出願
SNSが最初の接点になっているケースが増えています。
そのため、大学ホームページだけを充実させても十分ではありません。
まずは興味を持ってもらう必要があります。
そこで重要になるのがInstagramです。
Instagramは高校生との最初の接触機会を生み出す媒体として機能しています。
大学選びにおけるInstagramの役割
Instagramの役割は単なる情報発信ではありません。
大学の「空気感」を伝えることです。
高校生が大学選びで重視している要素を見てみましょう。
高校生が知りたいこと
| 項目 | ホームページ | |
| 学部情報 | ◎ | ○ |
| 入試情報 | ◎ | △ |
| 学費 | ◎ | △ |
| 学生の雰囲気 | △ | ◎ |
| キャンパスライフ | △ | ◎ |
| サークル活動 | △ | ◎ |
| 学食 | △ | ◎ |
| 授業風景 | ○ | ◎ |
大学選びでは数値情報だけでは判断できません。
高校生は、
「自分がここに通う姿を想像できるか」
を重視しています。
Instagramはその想像を後押しする媒体です。
例えば、
- 学生が楽しそうに過ごしている様子
- サークル活動の風景
- 学食で友人と食事する姿
- キャンパスの季節感
などを発信することで、大学生活を具体的にイメージできるようになります。
オープンキャンパス集客との関係
大学広報担当者の多くは、
「Instagramの成果が分からない」
という悩みを抱えています。
しかしInstagramは直接出願を獲得する媒体ではありません。
役割は興味関心の醸成です。
Instagramが果たす役割
認知
↓
興味
↓
好意形成
↓
オープンキャンパス予約
↓
来場
↓
出願
Instagram単体で成果を見るのではなく、全体導線の中で考えることが重要です。
例えば、
- リール動画を見た
- アカウントをフォローした
- オープンキャンパスを知った
- 予約した
という流れはよくあります。
そのためInstagramは集客施策の入口として非常に重要な存在になっています。
大学広報がInstagramを活用すべき理由
ここまでの内容を整理すると、Instagram活用が重要な理由は次の通りです。
Instagram活用のメリット
- 高校生との接触機会を増やせる
- 大学の雰囲気を伝えやすい
- オープンキャンパス集客につながる
- 学生生活をリアルに伝えられる
- 継続的な接触ができる
- 認知から出願までの導線を作れる
少子化が進む中で、待っているだけでは受験生は集まりません。
大学側から積極的に情報を届ける必要があります。
その中心となるのがInstagram運用です。
第2章 高校生はInstagramをどのように見ているのか
高校生がInstagramを見るタイミングとは
大学広報担当者がまず理解すべきなのは、高校生がどのような状況でInstagramを見ているかです。
多くの場合、高校生は真剣に大学を探している状態ではありません。
むしろ、
- 暇つぶし
- 気分転換
- 休憩時間
として利用しています。
主な閲覧タイミング
| タイミング | 利用状況 |
| 通学中 | 短時間閲覧 |
| 昼休み | 気軽に閲覧 |
| 放課後 | 長時間閲覧 |
| 部活終わり | リラックス目的 |
| 勉強の休憩時間 | 気分転換 |
| 就寝前 | 最も利用時間が長い |
この行動特性を理解していないと、投稿内容がズレてしまいます。
高校生は「大学を探すため」に見ているわけではない
ここが非常に重要なポイントです。
大学広報担当者は、
「大学情報を発信すれば見てもらえる」
と考えがちです。
しかし実際はそうではありません。
高校生はInstagramを開いた瞬間、
「大学を調べよう」
と思っているわけではないのです。
タイムラインには、
- 友達の投稿
- 芸能人の投稿
- 推しの投稿
- 面白い動画
- グルメ情報
- ファッション情報
などが並んでいます。
大学の投稿はその中の一つに過ぎません。
そのため説明中心の投稿はスルーされやすくなります。
スルーされやすい投稿
- 長文の大学説明
- パンフレットの転載
- 学部紹介だけの画像
- 学長メッセージ
- 文章ばかりの投稿
見られやすい投稿
- 学生の日常
- 面白い企画
- 流行フォーマット
- リール動画
- 共感コンテンツ
この違いを理解することが重要です。
なぜ大学紹介だけではスルーされてしまうのか
InstagramはSNSです。
検索サイトではありません。
そのためユーザーは情報収集モードではなく、娯楽モードで利用しています。
ここで大学の魅力を伝えるためには工夫が必要です。
例えば、
「経営学部ではマーケティングや会計を学べます」
という説明を投稿しても、多くの高校生は読みません。
しかし、
「経営学部生の1日」
というテーマで動画化すると見られる可能性が高くなります。
同じ内容でも見せ方が重要なのです。
流行フォーマットに大学の魅力を乗せる考え方
高校生向けInstagram運用では、大学説明をそのまま投稿するのではなく、流行フォーマットの中に大学の魅力を組み込むことが重要です。
効果的な企画例
流行音源を活用したリール
メリット
- 再生数が伸びやすい
- アルゴリズムに評価されやすい
- 若年層に届きやすい
学生の日常密着
メリット
- リアルな大学生活が伝わる
- 高校生が将来を想像できる
- 保存率が高い
大学生活あるある
メリット
- 共感を生みやすい
- 拡散されやすい
- 親近感が生まれる
ビフォーアフター企画
例
- 入学前と入学後
- 高校生活と大学生活
- オープンキャンパス参加前後
メリット
- 変化が分かりやすい
- 最後まで見てもらいやすい
1日ルーティン動画
例
- 看護学生の1日
- 留学生の1日
- 一人暮らし学生の1日
メリット
- 具体的な生活が伝わる
- 志望理由形成につながる
サークル潜入企画
メリット
- 学生の雰囲気が伝わる
- 楽しさを表現できる
- オープンキャンパス来場意欲が高まる
「気づいたら大学の魅力を理解していた」が理想
高校生向けInstagram運用で目指すべき状態があります。
それは、
「情報を読ませる」
ことではありません。
「気づいたら大学の魅力を理解していた」
という状態です。
例えば、
サークル動画を見る
↓
学生の雰囲気が伝わる
↓
楽しそうだと感じる
↓
大学に興味を持つ
↓
プロフィールを見る
↓
オープンキャンパスを知る
この流れが理想です。
大学広報の役割は説明することではありません。
興味を持ってもらうことです。
そのためInstagram運用では、高校生の閲覧行動を理解しながら、自然に大学の魅力へ触れてもらう設計が求められます。
第3章 高校生に届く大学Instagram投稿戦略
「情報を読ませる」から「気づいたら理解していた」へ
大学のInstagram運用で成果が出ない理由の一つが、「伝えたい情報」をそのまま発信していることです。
大学側が伝えたい内容と、高校生が見たい内容は必ずしも一致しません。
例えば、
- 就職実績
- 教育理念
- 学部紹介
- 研究内容
は大学側にとって重要な情報です。
しかし高校生がInstagramを見ている瞬間は、友達の投稿やエンタメ動画も同時に見ています。
そのため、大学の説明だけを並べても興味を持たれにくいのです。
重要なのは、
「大学情報を見せる」
ではなく、
「面白いコンテンツを見ていたら大学の魅力が伝わった」
という状態を作ることです。
投稿設計の考え方
| 従来型 | 成果が出やすい型 |
| 大学説明中心 | 学生生活中心 |
| 情報を読む | 動画で体感する |
| 大学視点 | 高校生視点 |
| 説明重視 | 共感重視 |
| 教える | 楽しませる |
大学広報担当者は「伝える」から「体験させる」へ発想を変える必要があります。
流行フォーマットに大学の魅力を乗せる考え方
Instagramで成果を出している大学には共通点があります。
それは流行フォーマットを活用していることです。
高校生は大学情報を探しているというより、Instagramを楽しんでいます。
だからこそSNSらしい企画設計が重要になります。
高校生に刺さりやすい企画例
流行音源を活用したリール
例
- キャンパス紹介
- 学食紹介
- オープンキャンパス当日の様子
メリット
- 再生数が伸びやすい
- 発見タブに掲載されやすい
- 高校生へのリーチが増える
学生の日常密着コンテンツ
例
- 看護学生の1日
- デザイン学部生の1日
- 一人暮らし学生の休日
メリット
- 大学生活が具体的に見える
- 将来像を想像しやすい
- 保存率が高い
大学生活あるある
例
- 履修登録あるある
- テスト期間あるある
- サークルあるある
メリット
- 共感を生みやすい
- コメントが増える
- 拡散されやすい
1日ルーティン動画は非常に強い
近年特に成果が出やすいのがルーティン動画です。
高校生は大学の制度よりも、
「実際どんな毎日を送っているのか」
を知りたがっています。
人気テーマ例
- 理系学生の1日
- 文系学生の1日
- 看護学生の実習日
- 留学生の1日
- 部活と勉強を両立する学生
ルーティン動画のメリット
| 項目 | 効果 |
| 再生率 | 高い |
| 保存率 | 高い |
| 共感性 | 高い |
| 志望度向上 | 高い |
大学選びでは「未来の自分」を想像できることが重要です。
ルーティン動画はその役割を果たします。
サークル潜入企画で大学の雰囲気を伝える
高校生が大学選びで重視する項目の一つが学生の雰囲気です。
しかしパンフレットではなかなか伝わりません。
そこで有効なのがサークル紹介です。
人気コンテンツ例
- ダンスサークル潜入
- 軽音サークルライブ密着
- スポーツサークル体験
- 学園祭実行委員会紹介
- ボランティア活動紹介
高校生は活動内容だけでなく、
- 学生同士の関係性
- 雰囲気
- 楽しさ
を見ています。
サークル紹介は大学の魅力を伝える非常に強力なコンテンツです。
投稿ジャンルをバランスよく設計する
運用では投稿内容の偏りにも注意が必要です。
理想的な投稿比率
| ジャンル | 割合 |
| 学生生活 | 30% |
| 学部紹介 | 20% |
| サークル紹介 | 15% |
| オープンキャンパス | 15% |
| 入試情報 | 10% |
| 就職・進路 | 10% |
多くの大学は入試情報が多すぎます。
高校生はまず興味を持ってから入試情報を見るため、順番を意識することが重要です。
第4章 大学Instagram運用で成果を出すための実践ノウハウ
リール・フィード・ストーリーズの使い分け
Instagram運用では機能ごとの役割を理解する必要があります。
リールの役割
目的
- 新規ユーザーへの認知拡大
向いている内容
- 学生の日常
- 大学紹介
- キャンパス風景
- サークル活動
フィード投稿の役割
目的
- 大学理解の促進
向いている内容
- 学部紹介
- 留学制度
- 就職実績
- オープンキャンパス情報
ストーリーズの役割
目的
- 接触頻度向上
向いている内容
- イベント速報
- 学内の日常
- Q&A企画
- アンケート
機能別の役割整理
| 機能 | 目的 |
| リール | 認知 |
| フィード | 理解 |
| ストーリーズ | 関係構築 |
それぞれを組み合わせることで効果が高まります。
高校生が保存したくなる投稿とは
Instagramでは「いいね」よりも保存が重要です。
保存は興味の強さを示しています。
保存されやすい投稿
- 学部比較
- 入試対策
- オープンキャンパス情報
- 学生の時間割
- 一人暮らし費用
- 就職先一覧
保存率を高めるコツ
- 情報を整理する
- 図解を活用する
- スライド形式にする
- 将来役立つ内容にする
高校生が後から見返したくなる内容を意識しましょう。
コメントやDMを活用したコミュニケーション設計
Instagramは一方通行の媒体ではありません。
双方向コミュニケーションが重要です。
実施したい施策
- 在学生への質問募集
- 学部相談
- オープンキャンパス質問受付
- 受験相談
これにより大学への心理的距離が縮まります。
高校生が相談したい内容
- 学部選び
- 入試対策
- 学生生活
- 一人暮らし
- サークル活動
気軽に相談できる環境を作ることが重要です。
在学生を巻き込んだコンテンツ制作
近年成果を出している大学では在学生が広報活動に参加しています。
理由は簡単です。
高校生は大学職員より在学生を信頼するからです。
在学生活用例
- 学生アンバサダー
- 学生リポーター
- 学生インタビュー
- 学生日常動画
在学生コンテンツの特徴
| 項目 | 評価 |
| 信頼性 | 高い |
| 共感性 | 高い |
| 拡散性 | 高い |
大学公式と学生発信を組み合わせることで説得力が増します。
InstagramからLINE・資料請求へつなげる
Instagramだけでは出願につながりません。
導線設計が必要です。
理想的な流れ
↓
プロフィールアクセス
↓
LINE登録
↓
オープンキャンパス予約
↓
来場
↓
出願
Instagramは入口です。
次の行動につながる設計が成果を左右します。
第5章 大学Instagram運用のKPI設計と改善方法
フォロワー数だけを追ってはいけない理由
多くの大学がフォロワー数を目標にしています。
しかしフォロワー数だけでは成果は測れません。
例えば、
- フォロワー5万人
- オープンキャンパス予約50件
よりも、
- フォロワー5,000人
- オープンキャンパス予約300件
の方が価値があります。
重要なのは行動です。
本当に見るべき指標とは
大学広報で重視したい指標を整理してみましょう。
重要KPI
| 指標 | 意味 |
| リーチ数 | 認知 |
| 保存数 | 興味関心 |
| シェア数 | 共感 |
| プロフィールアクセス | 検討 |
| リンククリック | 行動 |
| LINE登録数 | 見込み化 |
| 予約数 | 集客成果 |
これらを段階的に分析することが重要です。
オープンキャンパス予約数との関連分析
大学Instagram運用の大きな目的の一つがオープンキャンパス集客です。
そのため予約数との関連を分析する必要があります。
分析例
- どの投稿から予約が発生したか
- どの動画がプロフィールアクセスを増やしたか
- どの企画がLINE登録につながったか
これを継続的に確認することで改善点が見えてきます。
出願につながるアカウント運用を実現する方法
大学広報では最終的に出願につながる運用が求められます。
そのためには、
意識すべきポイント
- 高校生目線で考える
- 流行フォーマットを活用する
- 学生生活を見せる
- 在学生を巻き込む
- オープンキャンパスへ誘導する
- LINEで継続接触する
という流れが重要です。
高校生から選ばれる大学になるために
高校生は毎日Instagramを利用しています。
しかし大学情報を探すためだけに見ているわけではありません。
だからこそ大学側は、
「情報を届ける」
のではなく、
「自然に魅力に触れてもらう」
設計が必要です。
流行コンテンツの中に大学の魅力を組み込み、気づいたら大学を好きになっていた状態を作ることが、これからの大学Instagram運用で成果を出すための重要な考え方です。

コメント